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コラム詳細

  • 「日の出」「日の入り」はどの瞬間か 国立天文台の定義と各地のこよみ

    天気予報やカレンダーに載っている「日の出」「日の入り」の時刻は、太陽がどうなった瞬間を指しているのでしょうか。屋外で写真を撮る予定を考えるときにも気になるこの言葉について、国立天文台のよくある質問と、暦計算室の解説をもとに整理します。

    日の出と日の入りの決まり

    国立天文台は、太陽のいちばん上のふちが地平線や水平線と重なった時刻を、日の出・日の入りの時刻と決めています。つまり日の出は太陽が見え始めたとき、日の入りは太陽がすっかり沈んで見えなくなったときです。暦計算室の「暦Wiki」によると、計算では、大気のはたらきで地平線近くのものが浮き上がって見える「地平大気差」を35′8″として入れています。また、まわり全体が同じように高い場所では標高による見え方の差は出ないため、ふだんは標高0mとして計算しています。ここでいう地平線は、天文学では、見る人の位置を通り、真上の方向と直角に交わる平面として決められています。太陽が出る方向や沈む方向に山や堤防、ビルがあっても、それは計算に入れていません。よくある質問では、日の出や日の入りの時刻の空は、やや薄暗いものの、外で明かりがいるほど暗くはないとも説明しています。日の出の前や日の入りのあとの、空がうっすら明るい状態は「薄明」と呼ばれます。日本より緯度の高い地域では夏の薄明が長く、夜になっても真っ暗になる時間がほとんどない状態を「白夜」と呼ぶと説明されています。

    定義は時代や国によって違ってきた

    暦Wikiは、日の出・日の入りの決め方は世界で一つに決まっているわけではなく、フランスではいまも太陽の中心を基準にしていると紹介しています。日本でも、江戸時代は太陽の中心を基準とし、日の出や日の入りよりも夜明けと日暮れのほうが重んじられていました。明治の暦では、明治12年の暦の1年を除いて太陽の中心で数える時期が長く続き、上のふちで数える形に定まったのは明治36年の暦からです。この変更は、明治35年10月4日の文部省告示第165号で定められました。理由について暦Wikiは、太陽の中心で数えると日の光がまだあるのに夜の扱いになってしまうため、上のふちで決めたいという当時の天文台長の文書を紹介しています。

    場所や季節で時刻が変わるわけ

    同じ日でも、時刻は見る土地によって変わり、同じ土地でも日ごとに変わります。東へ行くほど早くなり、経度が1度東にずれるごとに、およそ4分ずつ早まると国立天文台は説明しています。西日本から東日本へ出かけると、夕方に暗くなるのが早いと感じることがあるのはこのためです。ただし緯度によっても時刻は違ってくるため、経度の差だけで正確な差を出すことはできません。季節で見ると、夏至のころは昼が長く、冬至のころは昼が短くなり、この夏と冬の差は日本の中では北の地方ほど大きくなります。一方で、同じ場所の同じ日付であれば、年が変わっても時刻はほとんど変わらないとされています。山の頂上のような高い所では地平線が低く見えるため、平地よりも日の出が早まり、日の入りが遅くなります。

    日の入りがいちばん早いのは冬至ではない

    昼がいちばん短いのは冬至の日ですが、その日に日の入りがいちばん早くなるわけではありません。国立天文台によると、日本では、日の入りがいちばん早いのは冬至の半月ほど前、日の出がいちばん遅いのは冬至の半月ほど後です。夏も同じで、日の出がいちばん早いのは夏至の1週間ほど前、日の入りがいちばん遅いのは夏至の1週間ほど後になります。理由は、太陽が真南に来る南中の時刻が一年の中で動いていて、夏至と冬至のころはその時刻が日ごとに遅くなっていく時期にあたるためです。南中の時刻がずれるのは、太陽の通り道が天の赤道に対して23.4度傾いていることと、地球の公転の軌道が楕円であることによると説明されています。

    時刻の調べ方と、山に沈む日の考え方

    日の出・日の入りの時刻は、国立天文台の暦計算室のウェブページで調べられます。その中の「各地のこよみ」は、都道府県庁所在地などの日の出・日の入りや月の出・月の入りを一覧にしたもので、群馬県は前橋の時刻が載っています。国立天文台は、同じ都道府県の中であれば数分ほどの違いで、その時刻をそのまま使えるとしています。国立天文台が編む「理科年表」にも、東京は毎日、ほかの道府県は10日ごとの時刻が載っています。案内される時刻は、地平線や水平線までさえぎるものがないとして求めたもので、近くの山や建物は考えに入っていません。山の向こうに日が沈む日を知りたいという質問について、国立天文台は、場所と日付を伝えれば日の出・日の入りの方角は計算できるとしています。ただ、太陽は山の高さの分だけ動く間に方角も変わるため、方角が合っても山頂にかかるとは限らず、その前後の何日かにわたって実際に見て確かめる方法を勧めています。

    まとめ

    日の出・日の入りは、太陽の上のふちが地平線と重なる時刻で、大気による見え方の差を入れ、標高0mで、まわりの山や建物は入れずに計算されています。時刻は場所と季節で変わり、日の入りがいちばん早いのは冬至より半月ほど前です。夕方の屋外で過ごす予定を立てるときは、暦計算室の「各地のこよみ」で近くの時刻を確かめ、まわりの地形も考えに入れておくとよさそうです。

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    参考にした資料

    各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。