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コラム詳細

コラム

伊勢崎絣の括り絣ができるまで 13の工程と型紙を使う絣

伊勢崎絣は、群馬県の伊勢崎市などで織られてきた絹の絣で、国の伝統的工芸品に指定されています。先に糸を染め分けておき、織るときに手作業で柄を合わせて模様を出すのが、指定の内容に書かれた作り方です。この記事では、伝統工芸 青山スクエア(伝統的工芸品産業振興協会が運営)と伊勢崎市のページをもとに、伊勢崎絣の代表的な技法とされる「括り絣」が、図案から検査までどんな工程を経て仕上がるのかを中心に紹介します。

伊勢崎絣という織物

国の指定と「伊勢崎銘仙」の呼び名

伊勢崎市の説明によると、伊勢崎絣は伊勢崎銘仙と同じ織物を指します。昭和50年に国(当時の通商産業大臣)の伝統的工芸品に指定されたとき、登録の名前を「伊勢崎絣」として届け出たため、指定の名前は銘仙ではなく絣になりました。平成5年には県のふるさと伝統工芸品にも指定されましたが、国の指定が先だったので、こちらも伊勢崎絣の名前で統一されています。市は、銘仙を絹の風合いを生かした平織物と説明し、上毛かるたの札「銘仙織出す伊勢崎市」で広く知られた織物だとしています。

産地のあゆみ

市によれば、伊勢崎では6世紀の古墳から麻の織物が見つかっていて、織物づくりは古くまでさかのぼります。養蚕のさかんな土地で、農家が自分たちのために厚く丈夫な太織を織っていたことが出発点で、江戸時代の後期に売り物としての太織が広がり、明治13年(1880年)の伊勢崎太織会社の設立のころから銘仙の名が使われ始めました。明治の後半に動力の織機が入ってからも、込み入った柄と風合いを持ち味とする伊勢崎銘仙は高機の手織りが続き、大正から昭和初期には全国の銘仙の生産の半分を伊勢崎が占めるまでになって、黄金期と呼ばれました。その後は洋装が広まって需要が落ち、売り上げや生産量が下がって、作り手も少なくなりました。

いまの取り組みと「伊勢崎括り絣」

市は、作り手の高齢化と後継者の問題から、新たな製造は厳しい状況にあるとしています。それでも、織物の組合が中心となって新しい技術の開発や後継者の問題に取り組んできたほか、市内の観光施設「いせさき明治館」では伊勢崎銘仙を常設展示と企画展示で紹介し、銘仙の生地を名刺入れや手さげ袋のような小物に生まれ変わらせて販売しています。令和6年には「伊勢崎括り絣」が群馬県ふるさと伝統工芸品に指定されたことも、市のページで紹介されています。

括り絣ができるまで

指定の内容と、いろいろな絣の技法

国の指定の内容によると、伊勢崎絣は先染めの平織りで、絣の糸は経糸と緯糸の両方か、緯糸だけに使い、絣の柄は手作業で合わせて織り出します。絣の糸の染め方は「手くくり」か「板締め」、または「型紙なせん」と定められ、糸には生糸や玉糸、真綿のつむぎ糸か、それに近い材質の絹糸を使います。青山スクエアは、主な技法として括り絣、板締絣、併用絣、解模様絣、緯総絣を挙げ、それぞれ工程や仕上がりが違うと説明しています。市によると、伊勢崎絣は作業ごとに担い手が分かれる分業でつくられ、織物の種類によっては工程が10を超えます。

図案と糸の準備から、地色を染めるまで

青山スクエアは、括り絣の工程を13に分けて紹介しています。最初は意匠づくりで、方眼紙の意匠紙に図案を描き、構図と配色を決めながら、柄に必要な経糸が何本になるかも計算しておきます。この意匠紙が織物の設計図の役目を果たし、そこから糸の量を出して準備に入ります。糸は精練して、生糸の表面のニカワ質を中性石けんや炭酸ナトリウムと煮て落とし、絹らしい光沢と染まりやすさを引き出します。黄ばみの強いときは漂白し、糊付けで扱いやすくして毛羽立ちも抑えます。糸繰りで木の糸枠に巻き取った糸は、整経で数十枠から必要な長さと本数の経糸を引き出し、張りをそろえて「経玉」にまとめます。経玉をほどいて長く張ったら、染め分ける位置に目印を付けていく「墨付け」に移ります。緯糸に絣を入れるときは、綿糸に印を付けた種糸を使います。墨付けに従って配色どおりに染料を摺り込み(摺込捺染)、よく乾いたら、その上を綿糸かポリエチレンテープで固く括って、地色の染料が入らないようにします。括った糸は熱湯に通して摺り込んだ色を発色させ、絣柄のない地糸と一緒に、90℃ほどの液で1時間ほどかけて地色を染めます。

柄を合わせて織り上げるまでと、型紙を使う絣

地色を染めた絣糸は洗って脱水し、糊付けしたら、乾ききらないうちに括りを解き、日当たりのよい屋外で適度に張りながら乾かします。このとき、柄合わせが崩れないよう、ところどころを縛って留めておきます。束になった経の絣糸は、図案の指示どおりに地糸を組み込みながら一本ずつ筬に通して巻き台に掛け、専用の道具で絣柄を整えてから巻き取ります(経巻)。続く引込では、綜絖と筬の2か所に経糸を手で一本ずつ通して、織機に仕掛けます。製織では、管に巻いた緯糸を杼で通し、筬で打ち込んで布にしていきます。青山スクエアは、織りの腕が製品の値打ちを左右すると説明しています。織り上がった布は、余分な糊を除き、蒸気を当てながらローラーにかけて幅と長さを整え(整理加工)、最後の検査を経て仕上がります。明治42年ごろには、括り絣で表しにくい曲線の柄のために、型紙で経糸に捺染する「解模様絣」が生まれました。緯糸に型紙を使うものは「緯総絣」、経糸と緯糸の両方に使うものは「併用絣」と呼ばれています。

まとめ

伊勢崎絣は、伊勢崎銘仙の名で親しまれてきた絹の絣で、国の伝統的工芸品としては伊勢崎絣の名で指定されています。代表的な括り絣は、意匠づくりから、糸の準備、糸繰りと整経、墨付け、摺込捺染、締括、地色の浸染、糊張りと絣合わせ、経巻、引込、製織、整理加工、検査まで、分業で多くの手を経て仕上がります。いせさき明治館などで銘仙を見る機会があれば、柄の一つひとつが糸の段階で染め分けられていることに目を向けると、絣の手間が見えてきます。

フリエルのご案内

フリエルは、群馬県高崎市で成人式の振袖レンタルを案内している店です。よくある質問では、高崎市を中心に、前橋市や伊勢崎市など県内の各地から相談を受けているとしています。振袖は約200着から選べ、正絹を中心にそろえていると案内しています。料金は、公式サイトの案内でご確認ください。振袖選びや前撮りのことは、公式サイトのお問い合わせ・来店予約のページから相談できます。

参考にした資料

各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。